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クヴェールと貼箱 / 綿菓子かんろ





概要

アリアリアレコーズが監修した、綿菓子かんろ2nd Album「クヴェールと貼箱」のデジタル版。収録時間25:52。


Credits

Vocal and Lyrics : 綿菓子かんろ


Guitars and Bass : ゐつぺゑ

Drums : 冨野孝介

Percussions : 中野友貴

Drums and Percussion Recording : 片倉望


Saxophones, Piccolo, Flute, Clarinet, Bass Clarinet : 嶋根颯汰

Flute, Piccolo, Alto Flute : 古里莉子

Oboe : 野口愛菜

Eb Clarinet : 岡野皓太

Bass Clarinet : 長谷川龍斗

Trumpet, Flugelhorn : 荒井美幸

French Horn : 五十嵐泰我

Trombone : 佐々木信吾

Euphonium : 佐藤七晴

Tuba : 花山太陽

12Violins, 8Cellos : Melisa Strings


Art Works : 巣籠雛子


Composed, Arranged, Directed : Talich Helfen



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作曲者の独断と偏見による解説


前作「リサージュの風景」制作中に、次のアルバム何やりたいか考えていて、シンプルな音色で曲書いたなら次はちゃんとスコアで曲を作ろうと思って。

元々楽譜書きだったので初期の作品はぜーんぶ楽譜に指示書き込んで作ってたんですが、割とDawにも慣れてきてそれなりな音源制作をするようになってたので、スコアに立ち返って、オーケストレーションでちゃんとポップスを作ろうみたいなコンセプトになります。

よりアコースティックな感じにしたいので、楽器も70年代までの楽器しか使えない縛りを設けました(5弦ベース(Low B)は80年代、ウクレレベースは2016年製らしい。知らんかった...)

リズム隊にもなるべく譜面以上の要求はしない感じで進めようと(結局現場で色々足したりしちゃったけど)ある程度ちゃんとマスター譜を書きました。

このアルバム、曲順で作曲していて(とはいえ何となくの流れは考えてたけど)だんだん欲張って編成大きくなってるのが目に見えて分かりますね。

あとはわたかんに比較的スタンダードなポップスを歌わせようと思って作ってます。

もうめっきりジャンルで曲を書き始めることってなかったのですが、基本のリズムが決まってるからこそ思いつくものもありますね。

それでは楽曲解説にGO


ハルモニア - HARMONIE

 これジャンルなんだろね、早速。最初はピアノで始めようと思って書き始めた。

この曲めちゃ元ネタあって

上田麗奈 - マニエールに夢を

もうこの曲がやりたくてしょうがなかった。特にサウンドが好き。

アレンジ的なミソはラップスチールギターが入ってること。ゐつぺゑ氏(以下みつぺる、打つの大変だから)に無理言ってボトルネックで風に弾いてもらいました。

あとはギターはディストーションは年代的にナシだったので、はちゃめちゃにアンプで歪んだギターを入れてもらってます。

ストリングスセクションは今作一貫して、12Violinと8Celloです。これは当時Melismaにヴィオラがなかったことと、昔の歌謡番組の編成がこれに近かったから。West side storyのミュージカル版のスコアもこれに近い編成(めっちゃ読んだ、楽譜の記譜の仕方とか)

ピアノとハープシコードがいるのもポイント。ビートルズっぽいかな(浅)。

スコアでベースラインを結構指定していて、アコベ、ピアノ、ハープシコード、バスクラ(これもアンプ通してる)、チェロで分厚いベースを作ってます。

収録のギリギリまでコントラバスクラリネット入れるか迷ってた。


コンコード - CONCORDIA

 ボササンバ。わたかんにはブラジル系合う気がしてた(Lamp好きだし)。

なんか料理をテーマにしようみたいなのは、この時点で思ってたみたい。

前半はキッチンパーカッションのドンカマのアンサンブルで

弦楽器隊は

ギタレレ(6限ウクレレ) - エレキギター

ウクレレベース - エレキベース

みたいな持ち替えも地味にしてます。

あとはマンドリンがいい感じの仕事してる気がします。

ホーン隊を入れようと思ったときに、中域に楽器が集中するのがリズム隊の時点で予想がついたので、高音域の木管アンサンブルに。

Piccolo, Flute, Oboe, Eb Clarinet, Soprano Sax.

書き方なかなかむずかったですね。吹奏楽アレンジの経験が生きてればいいな。

1B・2Bの変化、お気に入り。


ホライズン - HÓROS

 カントリー。ウエスタンスイング?というのかな、のスタイルのバイオリンたちをセクションにしちゃった版。なんか弦楽器がいっぱいいる編成で楽しそうだったので。

このためにバンジョーをみつぺるに買い与えました。あと久々に浮雲になってくれと言った気がします。

ドラムもちゃんとキット小さくして(タム外して、ハイハットは踏むだけ)録りました。

あと、パーカッション入れ方がとてもいい。本業って感じのアイデア。

この曲元々V/R Cの3rdに入る予定だった曲で、元はファストスイングの曲でした。

アウトロはこのまんまじゃないけれど、なんか難しい感じだったはず。


シャッター - SHUTTERS

 これもジャンルわかんないや。爽やか系(演奏する方は大変)。

マリンバのイントロはライヒのSix Marimbasの感じ。いっつも早い曲だとすぐデカい音まみれにしちゃうので、あっさりに仕上げました。

管楽器はFl, A.Fl, Cl, B.Cl, 2 Flugelhorn, Euph.

何と特殊な編成なこと。丸い音が欲しかったんですね。アウトロとかサウンドの感じ分かりやすいかも。

ギターは12弦アコースティックギター。この楽器にしかない旨味があります。

あとはドラムソロ、ありがとう。


ノーチラス - NAUTILUS

 バンドのみ楽曲。プログレチックな変拍子枠。

サウンドはこういう感じのイメージ。

ともさかりえ - タリンス

なんか一見アホそうにみえて格好いい感じ(かっこいい曲をバカな音で演奏する感じ)好きなんですよね。V/R C の「相反と表」とかもそんな感じかも。

あとは泣き別れステレオミックスに挑戦。難しい。

結構スマートな箸休めになってるといいな(なってんのか??)


プシュケー - PSYKHĒ

 レゲエ。レゲエなんて全然聞かないのだけれど挑戦。面白いジャンル。

とはいえ一筋縄では行かない感じに。Frank Zappaとかそういう、アバンギャルドなイメージ。ほぼ全パートのディレイを弄ってました。

元ネタというか、発想元はこれ

太鼓の達人 - SORA-Ⅳ ブンパソング

全然たいたつやらないのですが、何やらすごい曲だぞと。

サビの仕組みは12/8を(3+3+3+3)に分けてたのを2サビでは(4+3+3+2)になる感じ。なおボーカルはそのまま。

この曲、ホーン隊一番難しいかも。リズム隊は意外と伴奏に徹してます。


サテライト - SATELLITE

 ジャズワルツ(ジャズ警察の人お断り)。これもわたかんに一曲は欲しいだろう枠。

比較的キャッチーになってるといいな枠でもある。

編成も一番大きい、大団円。

Gil Evansのアレンジを参考に普通のビッグバンドじゃなく、ホルンとかチューバとか含む編成になってます。そこまでバチバチしない感じのサウンドに。

ギターはアコギをチョイスしてくれました。

あと、以前からお世話になってる嶋根さんにここぞとソロを吹いてもらいました。やっぱり嶋根さんはバリトンでしょう(マルチプレイヤー毎度助かっております)。

久しぶりにラスサビで転調するやつやりました。脳死でやらないように制限をかけているのですが、この場はふさわしいと思ったので。


エタニティ - ETERNITY

 ボサノバ。半インスト。

バンド隊は捌けて、ドンカマ、超アナログシンセの伴奏にオケがいる感じです。

この謎のレコードがリファレンスなんですけれど

どうやらオーケストラバックにエレクトーンを演奏しているレコードらしく。

こんな感じでアルバム最後終わったらいいなと。



リリックブック。こだってます。

料理と小人わたかん。全8枚書き下ろし。

料理のリテイクのたびに食べてました。オムライスとホットケーキが特にリテイク多かった。あとミートローフパイ初めて食べた。バーニャカウダは...生野菜...。

曲ごとの瓶かわいいでしょ。中身はちゃんとジュースです。

気合い入れて作っているのでぜひ手に取って見てください(あんま売れてないので...)。


スコア&ステム

売るようで結構ちゃんとレイアウト組みました。ポップスのアルバムでフルスコアがあるもの、あまり見かけないので、(というか見たことない)マニアの方々楽しんでいただければ。ステムもそれぞれ面白いことやってると思うので、開いてみてください。



引き続き「クヴェールと貼箱」お楽しみください。

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