概要
2024年2月22日リリース。アリアリアレコーズが監修した、綿菓子かんろ1st Album「リサージュの風景」のデジタル版。サイン波とボーカルのみのシンプルな作品。収録時間22:22。
Credits
Lyrics, Vocal & Chorus : 綿菓子かんろ
Composed & Sine Wave : Talich Helfen
Artworks Design : 巣籠雛子
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作曲者の独断と偏見による解説
私の参加した前作のアルバム「The Relaying Points // V/R Converters」は
全18名のボーカリスト、生ビッグバンド、そして美味しいお菓子の出るスタジオで制作していた。さらにはワンマンライブ付きという私得でしかない期間であった。
V/R Convertersにも飽き、何より事務所様にこれ以上迷惑はかけられないと思い、23年6月地点でソロアルバムを作ろうと考えた。
色々新しいツールを使えるようになり、音色・アレンジにこだわりが傾いている気がしていたので、新作はサイン波と歌のみのサウンドにしようと思い、詞歌を担ってくれる相方を探していた。
たまたま「綿菓子かんろ」というVtuber (Vsinger?)に持ちかけてみたところ(以前から曲は制作しており、良い詞・曲・唄を歌うのは知っていた)快諾してくれた。
わたかんも活動を始めるとのことで、カバー楽曲・動画制作と引き換えにこちらのオリジナル曲の制作をすることが決まった。
また、これからハチャメチャな楽曲群を歌ってもらう予定の綿菓子かんろ。
純粋に声色を楽しめる作品を一度作っておこうという目的もあった。
ほんじゃ本編の解説へ
・投影_Reflection
一番はじめに書いた楽曲。コードネームより横の流れを重視したらどのような楽曲になるのかなど、考えた気がする。あと、仕切り直しの意を込めてV/R Cで最初に作った楽曲と同じEで書き始めた。
(E F# G# A B B D# C#)はこの後も何回かモチーフとして出てくるはず
・彼誰_Celestial
変拍子枠。基本的に五拍子である。メジャーの和音は(3+2)、マイナーの和音は(2+3)になるというアイデアから書きはじめた(ドミナントセブンスは(3+3)だったり、途中で諦めるはず)。「儚い夢を〜」お気に入り。
この和音を積んだわたかんの声はのちにサンプルとしていろんなとこで使われるのでした。
・恒星_Stellar
最初のコード進行を変奏していくのみ。とてもシンプルなつくりながら、作曲的に満足度のいく楽曲になったと思う。この辺りから一曲につき一つのアイデアを擦るスタイルになっている気がする。
・隣人_Philia
6/8。これこそ他のバンドや楽器の倍音がないからこそ成立する楽曲。コードネームで表記できない和音を怖がらずに使おう楽曲。
鐘みたいになるLow Gの音。個人的に歪ませるのはナシ縛りだったので、倍音の音を直接打ち込んでます。ロータリースピーカーで鳴らすわたかん、面白い音するでしょ。
(このワルツのとこって今思うと完全にトモコレの服屋さんだよね。超好き。)
・述懐_Echo
初ポエトリーリーディング。詞を先に書いてもらって、曲をつけました。
ゴニオメーターで波形を見ると、詞の通りの図形とか動きになるような仕掛けを一部つけてます。ここから「リサージュの風景」というタイトルを思いついたような
途中、メシアンの「トゥーランガリラ交響曲」の引用。
・邂逅_Reunion
後半は比較的聴きやすい楽曲のつもり。冒頭のリフレインからそのままストレートに書いた楽曲。途中ボーカルだけになるとこいいよね(普通に音高くてゴメン)。
まじで誰も知らない曲でJohn Michel「Seven Colors Pieces.op2」というピアノ曲があって
その六曲目「Blue」がリファレンスだったかな。こういう組曲書いてみたかったの。
・連奏_Violacea
青葉市子を聞いていたら、ふと思いついた曲(というかまんまだけど)。
こういうテンションの曲なかったなと思って、書いてみたらクライマックスに相応しい感じになったかなと思う。リサージュのモチーフがラスサビ前にちょっと出てくるね。
・形而_Conception
一曲目「投影」の楽譜を逆さから読んだ楽曲。
綺麗にまとまったと思います。
楽曲も前半は幾何学的に、後半は結構自由に作ってるつもりです。
無機質な音が、後半になるにつれて感情豊かに聴こえてくるなら狙い通りです。
ちょっとミックスの話。
サイン波も地味に、Logic proのRetro Synthのサイン波とSamplerにデフォルトで入ってるやつを使い分けてます。Retro Synthの方が勝手に左右差でステレオになる(要は位相が違う)ので、メーターに面白い模様ができるのです。
自然な倍音感は欲しかったので(電子過ぎない感じ)全体をテープシミュレーターを通してます。なんか自然な暖かい感じになってれば嬉しいな。
リリース後意外と反響があり、良かったと思う反面、Vsingerという名前なだけでこんなにも聴いてもらえるのかと思った節も。そこからV/R Cの作品群とかまで聴いてくださる方もいるので嬉しいです。
あとは初めての取り組みでリリックブックの制作。
紙質の良いブックレットが好きで、こういうのつくりたいと思い制作。
CDはロット数多くて、断念。というかフィジカルでリリースするのにデジタルデータが中に入ってる盤っていかがなものか?という持論も邪魔して(本当はレコードとかカセットデリリースしたい。データはネットで買える感じで。文字通り擦り切れるまで聴いてほしいし)ならば、ブックレットだけ作って仕舞えばいいじゃんの考え。
撮影ロケ行ったりで楽しかったです。ぜひ聴きながら眺めてください。手触りもこだわったので。
スコア&ステムは今後何かと出していこうかと。今回のリダクションスコアは何らかの独奏楽器・鍵盤楽器で演奏できるように書いてあるので、楽器弾ける人は弾いて見たら楽しいかも。
最後にタイトルの話
Landscape of Lissajous 縮めて LOL
ラブデリックっていうゲームメーカーがありまして。わたくし大好きなんですけれど
三作しか出してないメーカーでそれぞれ
moon (PS)
UFO 〜A day of the life〜 (PS)
LOL 〜lack of love〜 (Dreamcast)
というゲームでして。
特にこのmoonが名作でして、まあ詳しいことは置いといて、このゲームrealとfakeの世界に分かれてます(何だかVirtual/Realみたいね)。
V/R Convertersの
moon (real) - The Starting Points
moon (fake) - The Executing Points
UFO - The Relaying Points
LOL - Landscape of Lissajous
みたいなつもりなんです。最後のLOLって作品ラブデリックから実質、分裂したスタッフが作ったゲームだし(その境遇もほら、何というか)。ちなみに音楽は坂本龍一です。わけわからんけど良いゲームですよ。
こんな感じでしょうか?聞きたいことあったら聞いてね。
いつもと違ってトゲトゲした音じゃないので、リラックスしたいときに是非(ミックスの休憩中とか、夜のお散歩のお供に)
引き続き「リサージュの風景」お楽しみください。
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